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10月18日に予告した高橋信夫訳 Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る(オライリー・ジャパン)だが、10/25ごろから書店の店頭に並び始めた。ジュンク堂新宿店では平積みと扱いもいいようだ。

本書は、情報アーキテクチャ、ユーザー体験で高い評価を得ているAdaptive Path社の主要メンバーが、変化の激しい市場環境で優れた製品・サービスを生み出す方法を書き下ろした書籍です。デザインの重要性を高める、顧客への真摯な共感を育む、単体の製品ではなくシステムとしてデザインする、アジャイルなアプローチを取り入れるなど、より優れた体験をユーザに提供するためのシンプルで強力な考え方を提供します。

日経BP経営とIT編集長の谷島宣之さんが「あなたも私も最高の“体験”をデザインできる」というコラムで本書を取り上げ、実体験に基づいた迫力ある書評をされている。良書に良い読み手がいて内容がいっそう深まるというかっこうの例だと感心する。

高橋さんはTechCrunch日本版の翻訳仲間で、2年ほど毎日いっしょに仕事をしている。お互いTechCrunchのリアルタイム翻訳のシフトに縛られているのでめったにオフでは会えない。しかし毎日Googleドキュメント上で作業のを見ているうえに、mixiの「マイミク」でもあるので、互いにかなり詳しく動静を知っている。

考えてみると、昔、勤め人をしていた頃、机を並べていた同僚についてもこんなに詳しくは知らなかった。インターネット、というよりソーシャル・ウェブの不思議である。

先週の土曜は珍しくタイミングがあって代々木のジョナサンで高橋さんとだべってきた。高橋さんは富士通OBで、ギズモード編集長のいちるさんとはニフティー担当として先輩になるのだそうだ。しかし富士通時代には会ったことがなくて、最近やっと名刺を交換したそうだ。こんどはぜひ飲み会やらねば、という話になった。

Amazonから届いて読み始めたところ。日本人ばなれした取材力に驚嘆。TechCrunchのファウンダー&編集長マイク・アリントン、CEOのヘザー・ハーディーにもインタビューしている。アメリカン・ノンフィクションを思わせる力作だ。おって詳しく感想を述べたい。

出版社/著者からの内容紹介

「ウェブ3.0」時代を押さえるITサービスとは何か?

ウェブ1.0は、放送局のように、大量の情報が一方的に流される形を指す。そして、ウェブ2.0では、インターネットに接続した多数のユーザーが情報やコンテンツを持ち寄り、ネットワークを介して価値が創造されていく。これが、いわゆる集合知である。

では、ウェブ3.0とはいったいどのようなものなのだろうか? 答えは「人間関係の解析」と「あなただけのカスタマイズ世界」だ。今後、インターネットで行われるサービスは、すべてがこの方向に向かうだろう。実際、アメリカではその萌芽がいくつも出つつある。

そこで、近い将来、市場を制覇する可能性がある20以上ものオンライン・サービスを実際に取材し、開発者たちが何を考えているのかを明らかにした。彼らの誰かが、グーグルの次の「神」になるはずである。

本書は、ウェブ2.0という言葉を発明したティム・オライリー氏とともに、次世代ウェブの姿を考えていく。もしかしたら、あなたこそ次世代の神になれるかもしれない。

出版社からのコメント

「ウェブ2.0」という言葉を発明したティム・オライリーと次世代の「仮想世界」について読み解きます!巻末にロングインタビュー全文掲載です。

インタラクションデザインの教科書 (DESIGN IT! BOOKS) はAjaxの命名者で対話的ウェブ・サービスのパイオニア、Jesse James GarrettのAdaptivePathのリード・デザイナー、Dan Safferの名著、Designing for Interactionの邦訳だ。版元は毎日コミだが、刊行を企画したのはソシオメディア。

出版を記念してSaffer氏らを講師に招いてDESIGN IT! Forum 2008フォーラムが開催された。ソシオメディアの篠原社長のお招きで出席してきた。

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Saffer氏のレクチャーでいくつか有益なヒントを得ることができた。なかでも印象に残ったのは「インタラクション・デザイナー、さらに広くウェブ・デザイナーというのは<装飾家>ではない」という言葉だった。

デザイナーというと、フォントをいじったり、背景に色をつけたりして「装飾を施す」仕事というイメージがある。しかし、Saffer氏によると、

インタラクションデザインとは振る舞いのデザイン、つまり、人間の行為に対してシステムがいかに反応するかをデザインすることである。

質疑応答セッションで「ウェブデザインについてはいろいろな手法が提案されているが、そういった手法を利用してもはかばかしい成果が上がっていない」という意見が出ていた。これは重要なポイントだ。

インタラクション・デザイナーは、建築家が建物のデザインをするのと同じような意味で、システムの振る舞いのデザインをするのが仕事だ。ところが、現実にはそういう権限と責任を与えられていない。多くの場合、ショーウィンドウの装飾屋あつかいされている。またデザイナー側にもシステムをデザインするための用意も能力もない。

またSaffer氏も答えていたように、たとえばユーザーの反応を調査しても、調査しっぱなしでは仕方がない。いくら正しいメソッドを利用しても、それを現実に適用しなければ何の意味もない。

本書は「このとおりにやればいいシステムができる」という意味の教科書というよりも、「いいシステムを作るためにはこういう考え方が必要だ」ということを広く啓蒙する教科書として大いに役に立ちそうだ。IT企業のトップにぜひ読んでもらいたい本だと思う。

ワグナー・ジェームズ・アウの「The Making of Second Life」の邦訳が日経BPから「セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる」として刊行の運びとなった。(8月下旬刊行予定、Amazonのページ)。翻訳は「ウィキノミクス」などを手がけたビジネス書翻訳のエース、井口耕二氏。僭越ながら滑川が短い巻末解説を書かせていただいた。

アウはハワイ出身のウェブ・ジャーナリストで、Wiredなどで活躍していたが、2002年から2006年にかけてセカンドライフ内でリンデンラボの公式ジャーナリストをつとめた。本書の素材の多くは、<ハムレット・リンデン>というアウのアバターがセカンドライフ内で多くの住民のアバターにインタビューして得たものだ。一方で、ワグナー・ジェイズ・アウとしては、リンデンラボのファウンダー、CEOのフィリップ・ローズデール、会長で後援者1号のミッチ・ケイパーら関係者と長時間密接に過ごしている。セカンドライフをそのように二重の意味で内側から記録した大著だ。セカンドライフについて知るべき一次情報はほとんどここに網羅されたといってもいいだろう。

アウが「公式ジャーナリスト」だったといっても、これはリンデンラボのPR本ではない。プラスの面ばかりでなく、数々の失敗やトラブルも詳しく報告されている。いままでベールに覆われていたセックスやロマンス、ギャンブル、バーチャル戦争、テロといったきわどい分野の実情が当事者の証言で明らかにされたのも特筆ものだ。

アメリカのノンフィクションの王道で「詰め込めるだけの情報をすべて詰め込んだ」本なので、読者はとりあえず興味のある箇所を拾い読みするのが効率的かもしれないが、私が通読した印象では、セカンドライフがローズデールというカリスマ的な創立者の個性と切り離せないことがあらてめて実感された。

たとえば、ローズデールは、本書の冒頭で著者に対して、幼少時に新生(ボーン・アゲイン)バプティスト派の学校に通った経験について次のように語っている。

(このキリスト教原理主義は)人間が推進しているものであり、根源的な真理によって推進されているのではないと気づき、(ローズデールは)宗教は駄目だと思ったが、同時に深い考察と物事の意味が大事だということも学んだ。

ローズデールの宗教体験が自らひとつの宇宙を作り出す「神」となりたいと考えるきっかけのひとつを作ったのではないかと思える。

と、このあたりまでは昨年「セカンドライフ創世記」(インプレス)の5章を執筆したときにローズデールについて情報を集めたたときに知ったニュースだったが、この本を読むと彼はそれ以上に「ぶっとんだ」キャラクターだとわかる。

ローズデールはセカンドライフの将来についてさまざまな夢を語った後、ふとこうつぶやいてアウを驚かせる。

あとは、どうやれば死から逃れられるか、だけなんだよなあ

なんとローズデールはセカンドライフの中に個人の人格そのものをシミュレートすることで「バーチャル不死性」を実現できないかと考えていたのだ。

セカンドライフが十分大きくなりさえすれば、それ自体が命を持つ。…そうなればチリから人が生まれるさ

とローズデールは主張する。もちろん現在の技術ではそんなことがいずれ可能になるのかどうかさえ決められそうにない。しかし二十年前の技術では今のセカンドライフのような世界が可能になるとはとうてい予想できなかったに違いない。それを考えるとローズデールのつぶやきを「妄想」と決めつけることはできないだろう。

バーチャル・リアリティーの現実と可能性に興味のある向きにぜひご一読いただきたい。

ちなみにローズデールの最近のビデオがTechCrunch日本版にエンベッドされている。Linden LabのRosedale曰く、ブラウザベースの仮想世界はセカンドライフの敵ではない

「セカンドライフを完全なブラウザ・ベースに移植する考えはないか?」という質問に対し「もちろん努力しているし、部分的には実現している。しかし現在のところブラウザ内ではシャドウやライティングの表現を含めた完全な3Dレンダリングを実現することがまだできない」と答えている。

Update: 著者、Wagner James AuのホームページでJapanese EditionのAmazonページが紹介されていた。カバーデザインがなかなか立派だと喜んでいるようだ。

Update2:著者Wagner James Auのブログ、New World Notesのトップにこのエントリーが紹介された。Thanks a lot, James!

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日経BP竹内さんから献本いただいた。アナリー・サクセニアンはIT産業でのシリコン・バレーの興隆とボストン地区の(相対的)没落を分析した「現代の二都物語(講談社)」の著者だ。

今回の「最新・経済地理学」はいわばその続編、グローバル版といえるだろう。IT分野で台湾、中国、インド、イスラエルがせいぜいこの10年の間になぜこれほど驚異的な成長を遂げたたのかを綿密な調査によって明らかにしようとしている。

原題は「The New Argonauts」。これらの地域の起業家を金羊毛を求めて冒険の旅に船出したギリシャ神話のアルゴ号遠征隊員になぞらえている。

まだ精読してはいないが、台湾とイスラエルは社会・産業全体のトータルなIT化に成功しつつあること、逆にインド、中国の場合―特に中国の場合―ITはじめごく一部の産業が突出して近代化していることによって地殻に巨大なひずみがたまり続けていることに強い印象を受けた。

もうひとつの印象だが、イスラエルを除く(これはやや特殊な事情がある)3カ国の成功の「秘密」というのは意外に平凡で、「官民一致協力して輸出立国にまい進する」という日本の高度経済成長時代の処方箋をIT時代に適用しているのではないかと思えた。

すると日本の現代の停滞―ガラパゴス化―は「努力をやめてしまった」という純然たる「ナマケ癖」にあることになる。もしそうだとすると、これは政府の政策ぐらいで変えることができるような問題ではない。

監訳者の星野岳穂氏(経産省)は日本政府も「官民あげてシリコンバレー進出」に努力していることを強調している。しかし「日本の若手エンジニアに刺激を与えた」例に「はてなの近藤淳也社長のシリコンバレー移住」があがっているのがいささか皮肉だ。

もっとも近藤氏の「凱旋」は「日本で成功したモデルをアメリカにもっていく」という耐久消費財輸出振興モデルではシリコンバレーでの起業は無理だという貴重な知見を与えたので、その限りでは無駄ではないと思うのだが。

またまたAmazonから到着

全集 日本の歴史 2 日本の原像

先月買った旧石器・縄文・弥生・古墳時代 列島創世記[全集 日本の歴史]がたいへん面白かったので第2巻も購入。

歴史学会のことはよくわからないが、どうやら佐倉の国立歴史民俗博物館に連なる人脈の気配がする。マルクス主義その他のアジェンダをもった「ためにする歴史」から総合科学に取り戻そうというモチーフが見えて好感がもてる。

ジョゼフ・ウォンボーはベテラン作家である。元ロス市警の部長刑事時代に書いた「センチュリアン」がヒットし、映画されてフルタイムの作家になった。ワッツ暴動を背景に若い警官たちの悩みと成長を描いた一種の青春教養小説でノンフィクションに近いストレートな語り口が新鮮だった。次作の引退間際の老パトロール巡査の日々をテーマにした「ブルー・ナイト」も面白かった。

ウォンボーは70年代から80年代にかけて「クワイヤ・ボーイズ」など警察小説のヒット作を描き続けるのだが、社会的な視点の導入やストーリーテリングの洗練などに力を入れすぎてストレートなパワーにいささか欠けていくようになったきらいがあった。

しかし数多くの作品がハリウッドで映画化され、めでたく相当の財産を作ったせいか、この十数年、新作にお目にかかれなかった。

それが自身も勝手知ったハリウッドを舞台に「ハリウッド警察25時」でひさびさの復活を遂げた。作家は処女作に帰るというが、これは「センチュリオン」や「ブルーナイト」と同様、実話に基づくエピソードを細かく積み上げたストレート路線だ。

その上、ストーリーテリングにもさすがベテラン、手練の手際をみせる。一見雑多に集めたように見えるエピソードが、次第にひとつの流れとなり、最後は一気にクライマックスに集約される。

ポケミスで380ページというかなりの大作だが一気に読めて余韻も快い。文句なくオススメ。

西村博之氏の2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)はさすがにおもしろい。現在Amazonで総合48位と健闘している。

西村氏の天才ぶりがいかんなく発揮されていて、ひごろカラクチの方面からも絶賛されている。ひきかえワリを食ったかたちなのが対談している佐々木俊尚氏。あまりにぬるま湯というか穏健な発言に終始してガッキィファイターこと日垣隆氏に「まれに見る底の浅い人」と笑われてしまった。

[2ちゃんねるはなぜつぶれないのか? 面白くて、やがて危うい]の続きを読む

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インプレスから「セカンドライフ創世記」が近く(7/6を予定)発売される。(Amazon)滑川がこのうち第5章を執筆した。

今までのガイドブックや入門書とはひと味ちがったシリアスな情報がわかりやすく、また豊富に提供されていると思う。セカンドライフでビジネスを考えている向きはもちろん、セカンドライフ現象に興味のある方にはぜひご一読いただきたい。Dr.ボーグこと山崎秀夫さんも執筆されている。

とりあえずご報告

アップデート:山崎秀夫さんが著者を代表してAmazonで本書を解説している。簡にして要を得たメッセージとなっているので引用させていただきたい。

本書で強調している「3Dインターネットの時代」は、セカンドライフを運営するリンデン・ラボが提唱している3Diのコンセプトと奇しくも一致しました。このコンセプトは、2007年3月にニューヨークで開催されたカンファレンス「Virtual World 2007」でリンデン・ラボのバイス・プレジデント、ジョー・ミラーが発表したものです。

大衆表現が可能となったマイスペースやユーチューブなどソーシャル・メディアに代表されるリード・ライト文化のWeb2.0の時代を経て、(略)参加者の共同的な創造性が全面的に解放され、仮想通貨でお互いに自由に取り引きができて、社会の創造が参加者の手に委ねられる〔のが〕「3Dインターネット」の時代なのです。

ジャンプの後に目次を掲載。

[セカンドライフ [Second Life] 創世記  3Dインターネット・ビジネスの衝撃(インプレス刊)]の続きを読む

「ウィキノミクス」がAmazonから届いた。現在「本で58位」と504ページもある翻訳ビジネス書としては大健闘。膨大な人数に取材して強力遠心力電気掃除機みたいにあらゆるデータを吸い上げぎゅっとパックしてどさっと提示してくるという、よくも悪くもアメリカン・ノンフィクションの王道を行くスタイルだ。

しかし地の文も面白い。Wikipediaと比較されたブリタニカの編集長が「Wikipediaの間違いの方が深刻だ」と反論したことに触れて

しかしこの反論は的外れだとも言えるだろう。Wikipediaの誤りはすぐに修正されたがブリタニカの誤りはまだ今でも残っているのだから。(p121)

ブリタニカ、痛いっ。タプスコットかウィリアムズか共著者のうちのどちらの言葉か定かでないが、ディベートはめちゃめちゃ強そうである。

ところで友人から「ジャーナリストの日垣隆氏が小飼弾氏をゲストにウィキノミクスの読書セミナーを開催する」と聞いた。日垣氏といえば、わが国で数少ない骨のあるジャーナリスト、それに小飼氏とのコラボとなれば、ぜひ聞いてみたいところだが、諸般の事情で、ここは友人の報告待ち。

アップデート

なんとかやりくりして6/23日の「ウィキノミクス」読書会に参加することにした。楽しみだ。

アップデート 2

この本は内容もさることながら、出版プロジェクトとしての仕掛けが大きい。「はじめに」によると、本書のベースになったのは2000年から2005年にかけて大企業12社の出資により900万ドルをかけて実施した「ウェブの状況とそのビジネスモデル」に関する調査なのだという。

出資企業はどうやらボーイング、IBM、BMW、P&Gといったあたりのようだが、この世界的ベストセラーで「Web2.0の勝ち組」として大々的に取り上げられればPR費用としてはめちゃ安、ともいえる。

いずれにせよわが国の出版界の手工業的「タイアップ」企画と比べると「ハリウッド」的スケール。と、妙なところに感心してしまった。


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