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日経BP、竹内靖朗さんより献本。実はこの「もっとも美しい対称性 」に加えて「多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者 」というドナルド・コクセターの評伝もいただいて、平行して読んでいる。といっても、もう大分前に読み始めたのだが、まだあちこちいったり来たりして読み返し中だ。

数学ファンともいえない数学野次馬の身で中身の評価などできるわけもないが、両方ともとにかく素人が読んで面白いノンフィクションだ。今回はまず「もっとも美しい対称性」の感想から。

この本はごくおおざっぱに要約すると、素人向けに極限までやさしくかみくだいた「群論とその応用」の紹介といっていいだろう。

群論というのは、素人のみならず理系でも鬼門として避けて通る人も多いとっつきにくい分野だ。私もこの本を読むまでは、ガロアが決闘で殺される前夜に何か偉大な発見をして、それはなんでも5次方程式の解法と関係があったらしい、という豆知識以外に群論について知るところはゼロだった。

しかし、どうやら、群論の本質というのは5次方程式がべき乗根を使って解けるか解けないかなどという問題を超えて巨大なものらしい。

ある種の図形は回転しても形が変らない。正方形は90度ずつ回転しても形が変らないし、正三角形は120度ずつ回転しても形が変らない。また正三角形や正方形には裏返しても形が変らないような対称軸がある。では「形が変らない」とはどういうことか? 辺の位置、長さ、辺と辺のなす角度が変らないということだ。

一連の対象に対してある操作を行ったとき、対象のなんらかの同一性が保存される場合に、そういういった操作の性質を抽象化して研究するのが群論というものらしい。

このような抽象化によって、3次方程式の根の間の関係が実は正三角形を回転や裏返しによって同一の形に変換する操作とまったく同じだということが証明できた。それまで別個に発達してきた数学のさまざまな分野と手法が実は一つのものだということが分かり、格段に強力で生産性の高い研究手段となった。

…ということでいいのだろうか? たぶんそういうことらしい。数式を(ほとんど)使わず、数学の奥の院の観光ができる貴重なガイドブックだ。

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