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日経BP竹内靖朗さんから献本。

本書の核心をなすメッセージは―

  • マーケティングはただの広告ではない
  • PRとはマスメディアだけを対象とするものではない
  • 人々は操作された情報ではなく、信頼性を求めている
  • 人々は参加したいのであり、プロパガンダは求めていない
  • マスに向けたマーケティングから、膨大な数のニッチに向けた戦略へと切り替えなければならない
  • ネットでは、マーケティングとPRの間にはっきりとした境界はない

これは、「口コミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング」(いしたにまさき・コグレマサト/日経BP)でも力説されていた。ある意味、本書は「口コミの技術」アメリカ版の続編・拡大版だ。

著者のDavid Meerman Scottはナイトリッダーニュースの電子情報部門の幹部を始め、20年以上もPRに携わってきたベテランだ。YouTubeの本書のプロモーション用ビデオクリップをみると、フットボール選手のような巨漢で、エネルギッシュかつポジティブなオーラが伝わってくる。ちなみに、Meermanというミドルネームを使うのは他のDavid Scottと区別するためのSEOだそうだ。

Scottは上のビデオクリップで、自分の講演では「エデュケーション、エンタテインメント、モチベーション」を提供することを心がけていると語っているが、これは口コミ・マーケティング全般にも言えるだろう。「役に立って、おもしろく、行動へのきっかけになる」コミュニケーションといったらよいだろうか。

Scottの主張する「新しいPRの法則」は一言でいえば「人々に直接話しかけなければならない」だ。本書の刊行当時(2006年)、アメリカ最大のPR代理店EdelmanのSteve Siebelをはじめ旧来のメディアやPR代理店関係者は大いに反発した。

しかしSiebelがブログ記事で主張しているのは煮詰めれば「プロのジャーナリスト向けのリリースも必要だ」と言っているにすぎない。それも必要だろうだが、だからといって「人々に直接語りかける」ことをしなくていいことにはならない。日頃のSiebelに似ず、いささかみえすいた我田引水の議論だ。EdelmanがウォルマートのPRのために中年夫婦をでっちあげてやらせブログを作ったのがバレて大恥をかいたのがこの頃だった。足下も見ろ、という教訓になったかもしれない。

本書の内容はたいへん実践的だ。「人々に直接語りかける」とはどういうことか? 「とにかくたくさんリリースを書くことだ!」として、以下のように勧めている。

  • 面白い情報がある→リリースを書こう!
  • CEOがカンファレンスでしゃべった→リリースを書こう!
  • 受賞した→リリースを書こう!
  • 製品に機能を追加した→リリースを書こう!
  • 新しい顧客を獲得した→リリースを書こう!
  • ホワイトペーパーを出した→リリースを書こう!
  • 今朝気持ちよく起き…れなかったとしても→リリースを書こう!

しかしもちろん、ただ大量に書けばよいというものではない。それではスパムと同じだ。本書で提示される「新しいPR」コンセプトの重要な要素は「ソートリーダーシップ(thought leadership)という考えだ。

thought leader「思想的リーダー」訳語もあるが、「思想」というのはいささか抽象的すぎる。「新しい考えを人々に普及させる影響力を持った人々」というほどの意味だ。この考え自体は新しいものではないが、これをインターネットを利用した口コミ・マーケティングと結びつけたところが重要だ。

Scottは企業ブロガー自身がこの「新しい考え方のリーダー」になることで興味と信頼を創りあげるべきだと主張する。

ソートリーダーシップのコンテンツは対象となる人々が抱える問題を解決するものであり、自社や自社の製品について言及すべきではない

たとえばケータリング業者のサイトでは、ケータリングの料金表ばかりでなく、「結婚式のパーティーを準備する上で知っておかねばならないこと」などの役立ち情報を提供するのが効果的だ。そうした情報を利用した読者は、必要が生じた場合にはその業者を利用する傾向がある。つまりそうしたささやかな情報提供でも「ソートリーダー」としての信頼を獲得するのに役立つわけだ。

ところが、未だに大企業のサイトは新聞広告やテレビCMをhtml化しただけで、何の対話性もなく、読者に信頼されるリーダーシップの片鱗もない場合がほとんどだ。ウェブ・ページのイメージ動画を見て車の購入を決めるユーザーなどいるわけがない。まったく金のムダだ。

だが、今までのように、効果もろくに測定できないまま、代理店の言いなりに湯水のように広告費を使える時代は完全に終った。

しかしネットを利用したPRは、従来の広告やPRとは全く異質だ。その異質さをデジタル・ネーティブでない人々に伝えるのは思いの他難しい。ネットやブログについて自分で十分知識のある層も、上司・同僚に説明するために、大いに本書が利用できるだろう。

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2009/02/20(金) 12:10:48 | BP?

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