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昨年5月にGoogleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンと結婚したバイオ・ベンチャー投資家のアン・ウォイチェスキー氏が立ち上げた23andMeは世界初の個人向けDNA解析サービスだ。当初は「サーゲイが奥さんにつきあって遊んでいる」程度の扱いをされていたが、ここにきてとうていそんなものではないことが明らかになってきた。創立わずか1年で事業の整備のスピードは驚異的だ。

1000ドル払うと、プラスチックの容器が送られてくる。唾を吐いて送り返すと数週間で驚異的に詳細な分析結果が送り返されてくる。

なるほど1000ドルは誰もが気軽に払える金額ではない。しかしこういう自動的な分析作業は典型的にスケールメリットが出る分野だ。日本円にして数万円程度にまで料金が下がるのは時間の問題だろう。

DNA解析によって疾病リスクを本人に知らせることで医療費の大幅削減が期待できるかもしれない。仮に検査費が2万円に下がった場合、日本国民全員を検査しても2兆円「しか」かからない。

ここからさまざまな悲喜劇、軋轢が生じることは想像に難くない。DNA情報が結婚の機会に作用して一種の露骨なダーウィニズムが復活するのではないか? 

逆に、そういう懸念から遺伝疾患の患者側が強く反発することが考えられる。しかし保険財政が(現在予見されているとおり)実際に破綻状態になってしまえば、背に腹はかえられなくなるだろう。

いずれにせよGoogleが現在このビジネスでまたも先手を取ったことはたしかだ。

しかしGoogleのデータベースに全人類のDNA情報までが格納されることになると…?

Googleはいろいろな意味でたいへんユニークな企業だ。自社の使命を公式に「地球上のあらゆる情報の組織化」と位置づけている。言い換えれば「遍在する全知」たらんとしている。控え目に言っても野心的な目標である。

人類史上もっとも強力かつ精緻に組織された団体であるカトリック教会も、さすがにその目的は神と人と媒介することで、自ら「神になること」を目指した組織はGoogleが最初だろう。しかも着実な足取りでそこに向かっているように思えるのが怖い。

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ヒラリー・クリントン上院議員はオハイオで大勝、テキサスでも僅差で勝利、断崖の縁から復活した。

雪崩を途中で止めるような驚異の力技だ。アメリカ大統領は世界の安全に死活的影響力がある。しかも全盛期のローマ皇帝以上の独裁権をもった指導者だ。私は個人的にマケイン上院議員を推薦(笑)しているが、民主党候補としてはヒラリーのほうがオバマより安全だと考えている。

「ヒラリーは親中、保護主義で日本にとってこのましくない」というのが日本のマスコミの(口に出さない)コンセンサスのようだが、問題は安全保障だ。イスラム過激派がオバマを「反戦主義者、米国の弱さの現れ」と考えるときわめて危険だ。(すでにイランの指導者がそういう発言をしている)。戦争は弱さによって起きる。第二次大戦はチェンバレンの弱さによって起きたし、朝鮮戦争は「朝鮮半島の安全はアメリカの死活的利益ではない」というひと言で起きた。

ベトナム戦争のエスカレーションと泥沼化はケネディー政権で起きた。キューバ政策の失敗もケネディー政権だ。逆に収拾したのはニクソンである。

「地獄への道は善意で舗装されている」。善意のアタマのいい理想主義者にはどうしても危うさがつきまとう。

イギリスのミュージシャンがイギリスで人気のあるSNS、Beboが8億5千万ドルで買収されたことに腹を立てて「分け前をよこせ」という文を書いてNYTに載せた。

これに対してTechCrunchのマイク・アリントンは「デジタル化でコピーコストがゼロになった以上、パッケージの価格は必然的にゼロに近づく。これからの音楽ビジネスはパッケージ販売からライブパフォーマンスにシフトする。いつまでパッケージで昔どおり金が取れると思っているんだバカ」と罵倒している。

一方日本ではJASRACに飼われた役人がISPを脅迫して「ネット検閲」でパッケージ・ビジネスに人口呼吸器をつけて延命治療しようとしている。(4月からISPが違法ダウンロードを監視、発見するとインターネット追放)

これは死に体の銀行その他を延命させてバブル後遺症を20年も続けたのと同じ愚行だ。

サブプライム問題も結局いちばん後遺症が長引くのは日本だろうと海外投資家の意見は一致している。ベア・スターンズを一挙に破綻させるところにアメリカの強みがある。

建築基準法改正で住宅が建たない、未成年者規制で携帯コンテンツ壊滅。

The Timesあたりでも去年から「Kanseifukyo=官製不況」という言葉が使われている。 http://business.timesonline.co.uk/tol/business/markets/japan/article3073560.ece

ガラパゴスの闇ますます深し。

日経コンピュータ3/24

日経コンピュータ3月24日号の「700号記念特集」でソーシャル・ウェブについて記事を書かせていただいた。

締め切りの関係で文字数調整などのヒマがなく、その点、谷島編集委員のお手をおおいに煩わせることになった。意のあるところをそのままに編集していただき、多謝。

エスター・ダイソン氏、ドリス・ドラッカー氏(故ピーター・ドラッカー夫人)へのロングインタビューも読み応えがある。谷島編集委員の総指揮でアート・ディレクションも美しい。

書店売りではないが、日経BP書店からいずれ購入できるはずなので、興味のある方はお目通しいただけると幸い。

地元の刃物店でミソノのスウェーデン鋼の鍛造品120mmを購入した。

ネット通販で買えばだいぶ安くなるのはわかっていたが、この店は研ぎが1回無料サービスになるし、万一不具合があったときも安心。それに、こういうものは手に取って気に入ったところでエイ、と勢いをつけないと迷ってしまってなかなか買えない。

あと大きなポイントは、この店では刃付けを購入者の好みで目の前でやってくれることだ。通販だとすでに両刃で刃付けされているのが普通。「片刃で」と注文すると、「ほー、よく知ってますね」と感心された。もちろん片刃のほうが研ぎやすい。両刃を裏表均等に研ぐのは素人には難しい。またトマトの皮むきなどの細工には片刃のほうが最初の食い込みがよい。

080320_misono.jpg

帰宅してからポイントをコンコリートの壁で慎重にこすって丸めた。工場出荷状態だと切っ先が針のようにとがっている。硬いものに不用意に食いませたりして欠くおそれがあるし、指にほんとうに軽くかすってもケガしてしまう。微妙な細工をする玄人はどうかわからないが、素人は包丁の切っ先はわずかに鈍くしておくほうが使いやすい。

このペティナイフ、さすがにプロ用の道具だけあって実に使い心地がよい。トマトの芯抜きと皮むき、トンカツ用豚肉の筋切り、タラコの皮むき、豆腐のパックを開いて賽の目切り、など切っ先が必要な仕事全部に活躍している。

ペティナイフ購入で出刃、タコ引き(先端が角型の刺身包丁)、薄刃、とあわせ、鋼の鍛造の包丁でいちおうラインナップが揃った。

しかし、いい包丁を何か一本、と探している場合に、まずおすすめは菜切だ。和食の野菜の下ごしらえは3徳包丁、牛刀その他洋包丁系では身が厚すぎてどうしても違和感が残る。しかも、良く切れる菜切は野菜だけでなく、ほとんどあらゆる切る作業に快適に使える。

[ミソノのペティナイフ、思い切って購入]の続きを読む

日経BP竹内さんから献本いただいた。アナリー・サクセニアンはIT産業でのシリコン・バレーの興隆とボストン地区の(相対的)没落を分析した「現代の二都物語(講談社)」の著者だ。

今回の「最新・経済地理学」はいわばその続編、グローバル版といえるだろう。IT分野で台湾、中国、インド、イスラエルがせいぜいこの10年の間になぜこれほど驚異的な成長を遂げたたのかを綿密な調査によって明らかにしようとしている。

原題は「The New Argonauts」。これらの地域の起業家を金羊毛を求めて冒険の旅に船出したギリシャ神話のアルゴ号遠征隊員になぞらえている。

まだ精読してはいないが、台湾とイスラエルは社会・産業全体のトータルなIT化に成功しつつあること、逆にインド、中国の場合―特に中国の場合―ITはじめごく一部の産業が突出して近代化していることによって地殻に巨大なひずみがたまり続けていることに強い印象を受けた。

もうひとつの印象だが、イスラエルを除く(これはやや特殊な事情がある)3カ国の成功の「秘密」というのは意外に平凡で、「官民一致協力して輸出立国にまい進する」という日本の高度経済成長時代の処方箋をIT時代に適用しているのではないかと思えた。

すると日本の現代の停滞―ガラパゴス化―は「努力をやめてしまった」という純然たる「ナマケ癖」にあることになる。もしそうだとすると、これは政府の政策ぐらいで変えることができるような問題ではない。

監訳者の星野岳穂氏(経産省)は日本政府も「官民あげてシリコンバレー進出」に努力していることを強調している。しかし「日本の若手エンジニアに刺激を与えた」例に「はてなの近藤淳也社長のシリコンバレー移住」があがっているのがいささか皮肉だ。

もっとも近藤氏の「凱旋」は「日本で成功したモデルをアメリカにもっていく」という耐久消費財輸出振興モデルではシリコンバレーでの起業は無理だという貴重な知見を与えたので、その限りでは無駄ではないと思うのだが。


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